令和4年度研修医
専攻医
松山 大輝
北大病院での精神科研修はあっという間の一年間でした。私は地域の病院で2年間精神科研修を行いましたが、大学ではまた違った経験ができました。地域の基幹病院では高齢化を反映して、認知症診療が占める割合が大きかったです。一方で、大学ではてんかん、摂食障害、児童思春期症例、合併症のある患者さんも多く、精神科診療の幅が広がったように思います。個人的にはてんかん診療が面白く感じました。てんかん精神病は有名ですが、心因性(非てんかん性)発作の鑑別、抗てんかん薬の副作用としての精神症状のマネジメント、認知症とてんかん、など精神科が関係するテーマはたくさんあり、もっと勉強できたらな、と思っています。
そして、あたり前のことかもしれませんが、一人の患者さんに対して外因、内因、心因のすべてに思いを馳せて、何が一番大きな要因として働いているのか、どこから動いて行けばよいか、という基本的な考え方の大切さが身に沁みました。また、コメディカルのスタッフがすごくアクティブで、自分では気づかなかった視点を教えてもらうことも多かったです。入院患者さんは毎日病院にいるので、ともすると患者さんをきちんと把握できていると思いがちですが、医師の診察は相対的に短時間のもので、実は見えていない部分があったりします。視野が狭くなっているところをそっと教えてもらい、自分の未熟さを反省したりしていました(ありがとうございました)。
コロナと生活のかたちも変わりつつあるので、北大での研修に興味を持った方は是非、見学してみてください。なにかのご縁があれば北大や関連病院で一緒に働きましょう。