令和4年度研修医
専攻医
中鉢 太郎
2022年3月から北大精神科神経科にて専攻医研修をいたしました、中鉢太郎と申します。元々札幌で生まれて高校生まで過ごし、新潟大学を卒業して医師免許取得した後に戻ってきました。大学実習や初期研修では直接精神医療に関わる機会は多くはなく、半ば「3年目からいきなり」という形になることには不安もありました。同様の理由で躊躇している方は少なくないと思いますが、北大の研修システムはその不安を当然の様に想定して受け止め、ゼロからの成長を支えてくれるものですので、安心して良いと思います。
いくつかの種類のカンファレンスがあり、様々な視点から担当患者さんの治療方針について検討がされます。担当していない患者さんの診療経過についても共有し、自らも意見を具申するという形で間接的に多くの症例の治療に参加できる実感があります。
クルズス(勤務時間内に行われる講義)では、それぞれの分野の専門の先生方からの豊富なインプットが得られるのみならず、自身で資料を調べて発表するというアウトプットも行います。そこでも補足という形でフィードバックが得られます。
これらで発表を行う際などはそれなりに緊張はしますが、「こんなことを聞いても良いのだろうか」などと躊躇することなく、気軽に相談することができます。上級医のみならず、他職種の方々も皆優しく、互いを尊重し合える人たちばかりであるからです。掛け値無しに「教育環境としてこれ以上ない」と感じた理由としては、それがやはり大きいです。診療科の特性ということも勿論あるのでしょうが、それのみでは説明できない厚みは、やはり伝統の下に長い時間と労力を懸けて大切に築かれたものなのではないかと感じました。私自身は未熟であり迷惑をおかけしたことも数多く、今もまだまだ研鑽の途上にありますが、1年間北大で研修したことで、2022年3月時点とは全く違った力が得られた自信があります。これを読まれている貴方も、是非その実感を得ていただければと思います。