令和4年度研修医

専攻医
小川 鴻基

私は医師3年目、精神科専攻医1年目として北大精神科に入局いたしました。北大精神科での一年間の研修は大変恵まれたものでした。

第一に、教育制度が充実しています。精神疾患は客観的な指標となる病因や検査値が不明なものが多く、適切な指導なしでは診療が我流に陥るリスクが生じやすいと思います。しかし、北大精神科ではまずクルズスで各分野の知識を学び、新患紹介、各種カンファレンスで幾度と客観的なフィードバックがなされ、さらにはABCDE各グループの指導医の診療に間近で携わることができるため、標準および最新の精神科医療を志すのに格好の環境と言えます。

第二に、医局の雰囲気が暖かいです。北大精神科は、伝統と風土として教育が根付いています。指導医は、専攻医含めスタッフ一人一人に丁重に接してくださいますし、指導も感情的ではなく論理的で明快です。精神科はなぜか風変わりな人が多い印象を持たれがちですが、北大精神科ではそのようなことは一切なく、良識的で紳士的な先生ばかりです。個人的に、研修の一年間は勉強することが多くあっという間でしたが、忙しい中でも理不尽さを感じたことはなく、安心して研修に専念することができました。そのような環境を提供してくださった先生方には感謝の念が絶えません。

最後になりますが、私は志望科の選択では元々内科と迷いがありましたが、ある意味「自分」という臓器を対象とする精神科に魅力を感じ選択しました。病状の波や一進一退はありながらも、患者さんが人生の歩みを進め、幸福を感じられるための助力ができることは、精神科医療の大きなやりがいの一つと感じています。迷っている方がいればぜひ一度北大精神科に見学にお越しいただければと思います。