平成24年度研修医

初期研修医
幡 賢

「光陰矢の如し」という故事がありますが、北海道大学病院の精神科で研修した1年間は本当にあっという間に過ぎていきました。これは、研修医としてはなく、一人の精神科医として多くの患者の治療に参加し、過分とも言えるほどの責任を負うことが出来たからだと思います。そしてその結果として患者が退院して行く様を見ることは大きな経験になりました。とかく研修医は上級医の手足となって動くだけで、言われたままの仕事をこなすようになりがちです。しかし北大精神科では主体的に考え、責任を持って行動することが要求されました。しかし、まさにそれこそが医師として成長する最も重要なことであるということをこの1年で痛感しました。このような経験ができたのは、ひとえに北大精神科の教育体制、教育信念のおかげと考えます。

非常に風通しの良い医局であるということにも感動しました。久住教授をはじめとして教官の先生方ともざっくばらんにお話しすることができ、多くのことを学ばせて頂きました。また、それぞれの出身大学や出身地なども多様なのにも関わらず、皆がのびのびと医療を行っているというのも魅力的な医局でした。

臨床、研究などで多忙にも関わらず私達の教育のために多くの時間を割いて下さった、諸先輩方には感謝の念が耐えません。早く一人前になって「さすがは北大で研修した精神科医」と言われることが、一番の恩返しではないかと考えています。「少年老いやすく学なりがたし」という故事がありますが、これからも時間を惜しまず研鑽に励んでいきたいと思います。