令和2年度研修医

専攻医
荒嶽 達也

私は札幌医科大学卒業後に道内の市中病院で2年間研修した後、北大精神科に入局しました。初期研修中は様々な診療科に興味を持ちましたが、その中でも患者さんに向き合う時間が長く、薬物療法のみではなく、言葉がけなどの診察を通じて患者さんの症状を良くしていく光景を目の当たりにし、自分も患者さんの人生の手助けがしたいと思い、精神科を志した次第です。
昨年度の1年間、専攻医として患者さんと接してみて、人の悩みに寄り添うことの難しさを実感しました。診療では悩むことも多かったのですが、どの指導医の先生も親身になって下さり、診療のコツや考え方を丁寧に教えて下さいました。医局全体の雰囲気として、相談しやすく、カンファレンス等で意見を出し合い、検討できる環境が整っていることは研修を行う上で非常に有意義でした。

また、他の専攻医の先生も記載されておりますが、様々な分野におけるクルズス(指導医と専攻医が集まって行う小規模の講義)があることも北大精神科の特徴だと思います。統合失調症、気分障害などはもちろん、心理士さんから心理検査の結果の読み解き方やPSWさんから社会資源の活用法に関して教えて頂く機会もあります。精神科は医師のみではなく、多職種で協力し、患者さんに何を提供すべきかを考えることが必要不可欠な診療科であるので、様々な視点から学ぶことができたことは非常に良かったと思います。今年度からは道内の関連病院で働いておりますが、悩んだ際にクルズスの資料を参考にして診療することが多く、クルズスで学んだことは後になっても役立つものだと実感しております。

北大精神科での研修を考えている方の中には、北大以外の出身の方もおられるかもしれません。私も他大学出身ですが、今年の同期のほとんどが北大以外の出身(10名中9名が他大学出身)でした。精神科を志している方はどなたでも歓迎、という雰囲気が北大精神科にはあるため、出身大学は特に気にする必要はなく、また、他の診療科から転科した医師もおりますので、精神科を学びたいと思った方はぜひ一度見学にいらしてみて下さい。1年間研修した身としては、毎日が充実しておりましたので、北大精神科での研修をお勧めさせて頂きます。