平成30年度研修医

専攻医
横浜 愛

初期研修医2年目、将来何科へ進むべきか迷っている。このHPの読者の方の中にもそのような方がいらっしゃるかもしれません。かつての私がまさしくそうでした。学生の頃から志望科は定まらず、初期研修をしてみればもっと迷いが増えていく。そんな夏に必修ローテートとして精神科に出会いました。そこは偶然にも北大精神科出身の先生方が多く働いている病院でした。たった1か月の研修でしたが、精神科の研修はそれまでの日常を覆す、新鮮で楽しい毎日でした。その病院の後押しもあり、すぐに北大精神科へ見学に伺うと、大勢の素晴らしい先生方と圧倒的なカンファレンスにお出迎えされました。大変魅力的に感じましたが、いやいやそんな上手い話しはないだろう、念には念を、と思い秋頃にもう一度見学に伺いました。やはり勉強熱心で楽しい教室でした。最後の最後まで他科とも悩んでいましたが、自分のわくわくする気持ちに正直に、北大精神科に入局することに決めました。

あれから1年を経て思うことは、これ以上ない良い選択だったなということだけです。指導医の先生方はとても勉強熱心で、何より熟練した聞き上手です。医学・学術的な面はもちろんのこと、若手のとんちんかんな疑問からちょっとしたシステム上の困りごと、飲み会のことまで、ありとあらゆる方面にしっかりと耳を傾けてくれます。聞いてくれる安心感があるからこそ、若手は活発に発言ができるようになります。そのような環境の中で自ら主体的に考え、疑問を持ち、発信し、共有していく力がゆっくり育まれていきます。ついでに先輩方の聞くスキルも自然と身についていきます。北大精神科が他と違うところはこうした、人が人を育てる構造の巧みさに尽きると思います。それは決して偶発的なものではなく、歴史あるカリキュラムの他、教授をはじめ、先輩方の多大な努力の上に成り立っているものだと思います。細かい知識や技術は後から学ぶ機会が嫌でも訪れると思いますが、医師として、人間としての根源的な力をつけたいとお考えの方にはぜひ北大精神科をおすすめ致します。