平成27年度研修医
後期研修医
澤頭 亮
私は後期研修医として北大精神科で1年間を過ごさせて頂きました。北大精神科の研修を一言で表現するならば、“オールラウンドな精神科医を目指す上での基盤を作ることができる”というところでしょうか。
外来の陪席では、月曜日から金曜日まで日替わりで初診の先生方の診療を見学できるため、いわば五通りの診療スタイルを学ぶことができます。言い回しや患者との距離の取り方など教科書では学べないtipsが散りばめられており非常に勉強になります。
病棟では、精神病圏、気分障害圏、神経症圏、てんかんなど各疾患を満遍なく受け持ちます。上級医からは日頃からマンツーマン指導があり勉強になるのは当然ですが、定期的に開催されるカンファレンスでは、病棟医長からも客観的な意見を聞くことができます。そのため、一症例に関しても、複数の指導医の意見を参考にしながら診療に当たることができ、複数の視点を身につけることができると思われます。
その他後期研修医・長期選択の初期研修医のためのプログラムで、北大精神科研修の最大の特徴として、長期クルズスというものがあります。これは、各分野のスペシャリストによる講義が一年間にわたって展開されるというものです。一年間でほぼ全ての精神医学分野をカバーするため、正直なところ全て吸収することはできません。しかしながら、次年度からの関連病院研修では、一通りの疾患を主治医として診療しなければならないため、このクルズスを元に調べ、勉強し直す際の手がかりとして大いに役立つものと思われます。
その他にも北大精神科研修の魅力は多々ありますが、代表的なところとしてはこの辺りでしょうか。
最後に何より重要なこととして、それらのプログラムの良し悪しは研修医の意見を参考に評価され、毎年brush upされていくところがあります。研修医が一方的に教育・指導を受けるのではなく、その内容に関しても研修医の意見が重視されています。そこからも北大精神医学教室の懐の深さが伺えるでしょう。