平成27年度研修医

後期研修医
高田 佳

北大精神科の研修の最大の特徴は、モットーである「急がず、休まず」という言葉に表されているように、1日1日、着実に成長していける研修システムです。その柱となっているのは、長年の伝統として受け継がれてきた「上は下に教える」という雰囲気です。教官やオーベンは皆、時間を惜しまず懇切丁寧に教えてくださる方ばかりです。こういった熱意に溢れた教室なので、我々も今後後輩に自分の知識や経験を伝えることは当然だといった良循環が生まれるのです。文章で書くとどこの医局でも当てはまると思われるかもしれませんが、実際、当科ほど系統的な指導体制が確立されている教室は他に類をみないと思います。その雰囲気は一度見学に来ていただければ必ずや実感していただけるはずです。ちなみに、現在の精神科臨床研修システムは、北大式が礎となっています。

はっきり言って、仕事は大変です。「ラクをできそう」という動機のみで精神科を考えている方は、少なくとも北大を選ぶのはお薦めできません。多くの日は8時に余裕を持って間に合うように出勤しなければなりませんし、仕事に慣れないうちや、行事の準備に追われると帰宅が21時、22時に及ぶことも珍しくありません。しかし、その分、苦労した経験は必ず自分の財産として身に付きます。「ちゃんとした精神科医」になれると確信をもって言えます。

もちろん苦しいことばかりではありません。当直の入っていない土日祝日は完全オフですから、仕事とプライベートとのメリハリをつけた生活を送れます。当科では野球(昨年は札幌ドームでの決勝戦に進出しました!)、サッカー、アルコールといった課外活動も盛んですが、これも強制的なものではありません。休みの日には思う存分リフレッシュすることができます。

この文章を読んでくださっているみなさんは多少なりとも精神科に興味を持っていただけている方々だと思います。精神医学は本当に奥深く、学べば学ぶほど魅了される分野ですよ。また、「患者さんは自分を映す鏡」といわれるように、病む人を理解しようと努めることは自分自身を深く理解することにつながり、自らの人間性を磨き、成長させてくれます。

一緒に仕事できる日を楽しみにしています。