平成28年度研修医
後期研修医
袴田 里実
私は初期研修医として2年間市中病院で勤務したのち、出産育児のためしばらく臨床を離れておりましたが、平成28年2月から北大病院のすくすく支援プランを利用して復職し、4月からは後期研修医として北大精神科で1年間を過ごさせて頂きました。私自身、北大精神科で後期研修をスタートすることができ、本当に良かったと感じております。そう思う理由について、子育て中の女医という視点から紹介させていただきます。
私は小学1年生の上の子と乳児を抱えての復職で、一年間近いブランクもあったため、とにかく最初は不安でいっぱいでした。しかし、指導医の先生方が本当に丁寧に指導してくださったおかげで、少しずつ自信が持てるようになりました。また自分自身でも、日々成長を感じながら研修することができました。子育てをしながらでも研修を最後までやり通せたのは、まわりの先生方のご理解があったおかげだと思います。家庭の事情に配慮した勤務にしていただけたこと、本当に感謝しております。ただ、まわりの研修医から遅れをとってしまうのではという不安は常に感じていました。この不安を払拭するのに、クルズスの存在は非常にありがたいものでした。研修医向けに行われる長期クルズスでは一年間にわたり、各分野のスペシャリストによる講義を網羅的に受けることができます。時間的な制約が厳しい私にとっては、クルズスは系統立てて知識を整理していくのに大変役立ちました。また、講義を受けるだけではなくて、自分たちで調べて発表するというクルズスもたくさんありました。クルズスを通して身に着けた勉強の仕方は、一生の財産になると感じております。
さらに大学で研修を行う最大のメリットは勤務する医師の多さではないかと思います。医師が多いという事は、それだけ多くの指導医からご指導いただけることを意味します。また、多くの先生の診察に陪席することで、多様な診察スタイルを自分の中に取り込むことができ、大変勉強になりました。さらに定期的に開催されるカンファレンスでは、各分野のエキスパートから診断や治療方針についてご意見を伺うことができます。私のように、家庭の事情で時間的な制約のある研修医にとって、北大精神科での研修は大変合理的であると考えられます。また、症例も豊富で疾患もバラエティに富んでおり、大学で研修をスタートするというのは精神科医としてのバランス感覚を養うにも最適だと思います。
以上の理由から、私は北大精神科で研修を受けることができ、本当に良かったと思います。短い期間でしたが、本当にありがとうございました。