平成28年度研修医

後期研修医
松山 詩菜

一般内科や外科、小児科、救急科など、様々な分野での研修をした後、精神科医としての勉強をするために、北海道大学病院の精神科でお世話になりました。北大では、精神科で重要な知識について、仕事を始めてすぐに教授をはじめ、経験豊かな先生方から教わります。特に、本を読んでいるだけでは得ることのできない臨床から得る感覚、経験について、最前線で活躍している先生との直接のやりとりで学ぶことは、得難い機会でした。臨床感覚と研究との比較、最先端の研究やエビデンスデータについても十分な知識を持っている先生方が教えてくださるため、知識の偏りなく「優秀な精神科医」を育てようとする空気を直に感じられます。

また、上級医の先生方とともに同じ症例について最善の治療が何かを現実的に考えていく機会を多く与えられます。外来初診の患者さんや、入院の患者さん、実際に接して「どう見立てるか」「適切な治療は何か」「治療の目標は何か」を明確にし、医師としてどういう知識、考え方、あるいは人となりが必要となのかを考えさせられます。精神科医師は、医学的知識が十分必要なのはもちろんですが、個々人の性格や人生観なども患者さんに大きな影響を与える職業です。例えすでに何十年と治療に当たっていても、常に最善を追及する先生がたとともに仕事をさせていただいたことは、今後、自分が精神科医を続けていくうえで、最も重要な経験だと思います。

科にかかわらず、また、医師という仕事にかかわらず、時に仕事に関して「いい加減さ」を持っている人は一定数存在します。しかし、「患者さんの人生」に大きくかかわる仕事である以上、「精神科医」を適当にやることは、あってはならないことだと思います。そういう気持ちに共感できる方に、ぜひ、「北海道大学の精神科」での研修を経験していただきたいです。