令和3年度研修医
専攻医
吉田 隼輔
私は北海道大学出身で在学中に北海道大学病院精神科神経科での研修を決意し、関連病院でのコア科臨床研修や初期研修を終了したうえで入局しました。入局の申込も早かったようなのですが、実は全く明確なビジョンがあったわけではありませんでした。
自分が日々生活している中で思い悩むことが多々あり、精神科医療について正しい知識を身に着け診療にあたり患者さんの回復を経験させていただくことで自身もより良い人生を歩めたら、ということを何となく考えていたのみでした。ですのでどんな医者になりたい!とかどんな勉強をしたい!といったことを掘り下げられてはいませんでした。
そんな独りよがりな目標では壁に当たった時にうまく対応できるわけもなく、患者さんとのかかわりだけではなく、そのご家族やほかの職種の皆さん、他科の先生方とのかかわりの中で思い悩むことが多々ある1年間でした。
しかし幸いにも同期の専攻医の皆さんとの議論や日々の談話、指導医の皆さんのご指導で何とか成長しながら1年間を乗り切れたと感じております。
医局の人的な魅力は人が変わると別物になるかもしれないとよく言われますが、上述の通り学生時代より本教室にお世話になった身としてはどの年も活気や熱意に満ちた教室でありそこが最大の魅力であると考えております。
そして私の中で一番の収穫だったのは、ほかの先生方の熱意に触れ自分にもやはり患者さんの調子が良くなったらうれしい、という利他の精神が残っていることを自覚できたことでした。
現在初期研修を行っていた病院で精神科研修を継続しておりますが、今後もこの思いを忘れずに臨床に臨もうと堅く誓っております。
当科に興味のある方、特に日々の辛さに摩耗しながらも自分の人生をより”善”く生きたいとお考えの方の参考になれば幸いです。