臨床神経生理グループ
メンバー(令和6年度)
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研究内容(令和5年度)
堀之内は、厚労科研で行ったPsychological First Aid(PFA)のCOVID-19流行下での普及促進事業の一端として、オーバービュー論文を共同で出版した。内容としてPFAのトレーニングは医療従事者に対して良い変化をもたらす可能性がある報告があることをまとめ、また一方で災害精神医学の領域のため研究手法に一定の制限があるが、より良質なエビデンスの蓄積が望まれることを示した。また海外の若手精神科医と協同し、若手精神科医522人を対象としたオンライン調査で、各国におけるNeuropsychiatry(神経精神医学)のトレーニングに関する現状を明らかにした。現在進行系の研究としては、YES-Japanの枠組みでDRPLAに関するシステマチックレビューを継続して行っている。そして、留学先であったUniversity of Sussexの研究者と協力し、過換気状態における生理学的変化や、呼吸とてんかんとの関係についての取り組みを継続している。また、てんかん患者におけるseizure precipitation factorの探索、てんかん患者の外科手術への消極的態度の調査、さらにてんかんを併存する統合失調症患者に対する治療的アプローチ、などの研究計画を進めている。
中村は、大学院の研究テーマである「外来受診解析に基づくてんかん患者の行動特性に関する研究」をまとめた。その中で、全般てんかん患者と焦点てんかん患者において外来受診行動に差異があること、そして受診頻度の高さや公的扶助の有無などが影響することを明らかにし、Epilepsy and Behavior誌で出版した。また学位論文を提出し、無事卒業を果たした。
(文責:堀之内 徹)