臨床精神病理グループ
メンバー(令和6年度)
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三井 信幸(チーフ)
Nobuyuki Mitsui -
朝倉 聡
Satoshi Asakura -
賀古 勇輝
Yuki Kako -
大久保 亮
Ryo Okubo -
髙信 径介
Keisuke Takanobu -
ヌイェーン・タン・ダット
Nguyen Tan Dat -
宮野 史也
Fumiya Miyano
研究内容(令和5年度)
令和5年度は、朝倉、賀古、三井、豊島、髙信の5人体制となった。研究に関しては、博士課程3年目の留学生のグエン・タン・ダットが加わる形となった。
朝倉は、第15回日本不安症学会学術大会の「不安症・強迫症の診療ガイドラインのシンポジウム」のシンポジウムで「社交不安症の診療ガイドライン」の発表、第119回日本精神神経学会学術総会の「現代のcommon diseaseとしての不安障害~その正常と病的の境界とは」のシンポジウムで「現代のcommon diseaseとしての社交不安症」の発表、「不安症、強迫症の診療ガイドラインと臨床的実践」のシンポジウムで「社交不安症の診療ガイドラインと臨床的実践」の発表、第33回日本臨床精神神経薬学会学術集会の「不安症・強迫症の薬物療法を再考する」のシンポジウムで「社交不安症の薬物療法再考」の発表をおこなった。また、「社交不安症診療ワークショップ」のワークショップを第15回日本不安症学会学術大会でおこなった。総説としては、Depression Strategyに「不安症に関するガイドラインをひも解く~WFSBPおよび社交不安症の診療ガイドライン」が掲載された。その他、講演会、研修会などで社交不安症や職場のメンタルヘルス、学生のメンタルヘルスなどの講演をおこなった。
賀古は、引き続き司法精神医療センターでセンター長/准教授として勤務した。司法精神医学に関連する業績は司法精神医学グループのほうで記載する。摂食障害関連では、日本心身医学会北海道支部第33回教育講習会で「摂食症と神経発達症」について講演した。統合失調症関連では、第42回日本精神科診断学会のシンポジウムで「統合失調症の病名告知」について講演した。また、中外医学社から刊行された「精神科実臨床における認知機能リハビリテーションの実践」の中で「大うつ病性障害の知見」の執筆を担当した。その他、日本摂食障害学会摂食障害診療ガイドライン作成委員会、日本心身医学会・日本心療内科学会心身症ガイドライン統括委員会の委員を担当した。
三井は、今年度も引き続き病棟医長として、病棟の運営に携わることとなった。本年度は3月に病院機能評価に受け、事前準備として各種マニュアルの改訂などに取り組んだ。臨床は、摂食障害の入院および外来の診療が中心であった。摂食障害に関しては、JSPNの「摂食障害治療に関する特別委員会」に参加した。また、北海道精神保健福祉センター主催の協議会および家族会に参加し講演を行った。さらに日本心身医学会北海道支部第33回教育講習会で「重症遷延性摂食障害について」講演した。研究に関しては、大学院生のグエン・タン・ダットと共同で、論文作成を行った(Front Psychiatry, 7, September 2023)。COVID-19流行下における自殺念慮と自尊感情の関係を共分散構造分析により分析したものであった。大学生の自殺予防心理教育については症例の収集を完了した。また、内藤大先生、豊田直人先生との共著による論文「COVID-19流行による精神科受診患者の自殺関連事象の変化について―北海道大学病院における後方視的研究―」が、精神神経学雑誌に掲載された。その他、学内では「大学生の精神的不調に備える」と題して学生相談講演会を行った。さらに、障害者施設職員を対象に全国知的障害福祉関係職員研究大会においてストレスマネージメントに関する講演を行った。また司法精神医学グループにも所属し、摂食障害および解離性障害を背景に窃盗を繰り返した事例の精神鑑定を行った。専攻医の先生の教育にも従事し、澤山先生、小川先生、楯林先生、宮崎先生がそれぞれ学会発表を行った。
豊島は、気分障害の認知リハビリテーション、学生教育、気分障害クルズス等を担当し、教室行事において、「双極性障害における認知機能障害」を発表した。現在は、双極性障害の認知機能障害に関する研究を行っている。
髙信は、司法精神医療センターで副センター長/助教として勤務した。司法精神医学に関連する業績は司法精神医学グループのほうで記載する。自殺予防関連について、本院で着手していた自殺予防に関する研究も継続しており、入院患者に対し実施した自殺リスクアセスメントシートを用いた自殺リスク評価と入院中の自殺企図発生に関連についての調査の途中経過について、第48回自殺予防学会総会で発表した。
今年度は、久住教授体制最後の年になった。当グループが事務局を長期間継続的に務めている心身医学会北海道支部も久住会長が交代し、次年度に引き継がれることとなった。本年度は、各自がその役割を果たしながら、次年度の新体制に向けた準備の年になった。次年度も各自の研究を発展させながら臨床、研究、教育を充実させたい。
(文責:三井 信幸)