気分障害グループ
メンバー(令和6年度)
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研究内容(令和5年度)
令和5年度は、北海道医療センター医長を務めた宇土が保健センター助教として帰局し、同院医長へ磯山が転出した。また、専攻医を修了した尾崎が、医員・大学院生として引き続き在局した。以下に各個人の業績について報告する。
成田は引き続きチーフを拝命し、「拡散尖度画像による、躁うつ病と大うつ病患者の大脳白質構造差異について」のタイトルで日本学術振興会科学研究費助成事業の若手研究支援を受領し、研究代表者として研究をすすめている。さらに、精神科救急に「身体拘束と深部静脈血栓症」のタイトルで総説を執筆し、同内容を第119回日本精神神経学会学術総会のシンポジウムで発表した。また、北大病院第二内科 阿部先生らとの共同研究による炎症性疾患の機能画像についての研究がCerebral cortexに、当教室専攻医 木村先生、京都大学 健康増進・行動学分野客員研究員 今井先生との共著で、心疾患におけるエスシタロプラムの有害上についてのシステマティックレビューがFrontiers in Psychiatryに、日本総合病院精神医学会 臓器不全・移植関連委員会として名古屋大学 木村先生らと共同で行った「生体肝移植後に併存する精神疾患」の研究がBMC gastroenterologyに、それぞれ受理された。くわえて、日本総合病院精神医学会 電気けいれん療法委員会 委員会のメンバーとして、第36回日本総合病院精神医学会学術総会で「電気けいれん療法症例グループディスカッション」にファシリテーターとして参加した。北海道DPATインストラクターとしてDPAT北海道研修の講師、令和5年度大規模地震時医療活動訓練にコントローラー、令和5年度DPAT先遣隊研修にファシリテーターとして参加し、令和6年能登半島地震 にはDPAT先遣隊として北海道として初めて派遣された。また、第61回 全国自治体病院学会で「精神科(病院)におけるクラスター対応 ~災害対応としてのDPATとの異同を含め~」をシンポジストとして発表した。
宇土は気分障害グループで高齢者の精神障害および認知症の臨床、研究に従事した。また放射線科で施行されているQSM撮像法に関する研究への協力をおこなった(Magnetic Resonance Imaging誌、Magnetic Resonance in Medical Sciences誌)。臨床ではアルツハイマー病に対する新規抗体薬であるレカネマブの発売に合わせて予定されたMCIセンターの設置準備、同センターで将来的に施行予定の臨床研究の計画書作成等に関わった。
味藤は気分障害患者のセルフスティグマについて研究を検討中である。また、病理グループ三井先生と共に「摂食障害の症状とセルフコンパッションの関係に関する検討」のテーマで研究を進めている。
尾崎は中高年期の不安、抑うつ症状にかかわる生物心理社会的要因の探索をテーマに博士課程の臨床研究を進めている。学術論文として、物忘れ検査入院でアルツハイマー型認知症、軽度認知障害、認知機能正常の患者を対象に、老年期の精神神経症状と脳脊髄液や遺伝学的な要因との関係を横断的に調査し、研究内容がpsychogeriatrics誌に受理された。学会報告として量子力学の観点から脳波の成因について調査した内容を第45回日本生物学的精神医学会年会で報告し、AI(深層学習)を用いた抑うつ症状や躁症状といった気分症状の変化の予測についての報告を第42回 躁うつ病の薬理・生化学的研究懇話会で報告した。現在、35th CINP World Congress of Neuropsychopharmacology (CINP2024)の国際学会に向けて発表を準備中である。また高齢者を対象とした臨床研究の計画書を準備中である。またMCIセンターの実務者担当として、同グループの宇土の指示のもと準備を進めた。
(文責:成田 尚)